コース料理で味わう、秋の恵み。 料理長・松下俊一

「菊花蕪椀 海老真薯射込み ちらし菊」
菊の花を彫り込んだ蕪の中に、海老真薯を入れ、菊の花びらを散らしたお椀。器は「輪島塗 慶塚作 高台寺蒔絵吸物椀」。

魚介、野菜、きのこ類……。秋は一年の中でも食材が一段と豊富になる季節です。日本各地の生産者のもとから新鮮で種類豊富な食材が集まってきますので、コース料理におきましても、より良いものを厳選しながら一品一品心を込めてお作りしております。

日本料理で秋といえば外せないのが松茸です。福田家では、懇意にしている岩手県の生産者さんから鮮度が高く立派な松茸を仕入れ、季節の魚や肉、野菜に合わせてお出ししております。また毎年秋の初めにやってきて、私自身もとても楽しみにしているのが「鱧(はも)と松茸の出会い」の季節です。夏の名残を感じる鱧と、秋の始まりの松茸……夏から秋へと移り変わるこの時期だけの自然からの贈り物です。

味付けにおきましても、夏のさっぱりとした口当たりのものから、濃厚で味わい深いものへと変化していきます。気温や気候の微妙な変化を敏感に感じ取り、季節ごとの気分に合わせた味わいを楽しもうという考え方は、日本料理ならではの大きな魅力だと思います。

「秋茄子田楽焼」
秋茄子と巻海老、新銀杏、石川芋をあわせた色鮮やかな一品。器は織部隅折皿。
「大魳雲丹被せ柚香焼 酢取秋茗荷 松茸焼 菊カボス」
秋の味覚を魯山人の「紅葉文長方皿」に盛り付けた焼物。

紅葉が描かれた魯山人の長方皿をはじめ、コース料理で使用する椀や皿などもまた、秋ならではのものに入れ替わります。菊の花や紅葉を飾りに添えるなど、味や香りだけでなく見た目や空間でどのように「秋」を表現し、皆様にお楽しみいただけるかということも大切なコース料理の一部だと考えています。秋の花々をあしらった器と、彩り豊かな秋の食材との組み合わせを、ご堪能いただけましたら幸いです。

※写真の料理は例になります。コース料理に必ず入るということではありませんので予めご了承ください。

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