福田家の調理場から #08 確かな目利きで選び抜かれる「日山」の牛肉

今年6月に、福田家の新商品「至福のハヤシライス」が発売となりました。当初私達が想像していた以上に多くのお客様からお求めいただき、発売日のうちにすべて完売となりました。また「出汁の効いたソースが美味しかった」「お肉の大きさに驚いた」「お酒のおつまみとしても楽しめる」などの嬉しいご感想をお寄せいただいております。代々続く和食店がレトルト商品、冷凍商品を発売するということで迷いや不安もありましたが、この挑戦を温かく見守りいただけましたこと、深く御礼申し上げます。現在はオンラインで再販売をおこなっておりますので、今後ともぜひよろしくお願いいたします。

さて、今回はこの「至福のハヤシライス」に欠かせない牛肉についてのお話です。

当店のハヤシライスに、どんな牛肉を使うのがよいか。これについては、日本橋人形町の老舗精肉店「日山」や「すき焼割烹日山」を経営する日山グループさんとともに、何度も検討を重ねて参りました。特に、肉を口に入れたときの「ごろっと感」には強くこだわりたい、レトルトや冷凍だからと妥協はしたくない、という私達の思いがありました。

はじめはバラ肉を使いたいと考えていたのですが、どうしても脂っぽくなってしまい、食べ疲れを感じる部分がありました。そこで日山さんがご提案くださったのが、脂身の少ない肩肉や腕肉でした。これを試したところ、まさにイメージ通りの「ごろっと感」を実現することができました。お互いの「いいものを作りたい」という思いが響き合い、理想的なかたちでの共創ができたように思います。

こうしてご縁をいただき、コラボレーションを通して確信できたのが、日山さんは決してブランドや産地だけで牛肉を選定するのではなく、牛1頭1頭の個性をしっかりと見極めていらっしゃる一流の目利きだということです。より質の高い肉を仕入れるためには、全国各地に買い付けに行くとも聞きました。実際どのように牛肉の選定や保管、解体などをおこなっているのかを知るため、先日、「日山畜産」での精肉の製造工程を見学させていただきました。

500キロ近い巨大な牛肉の塊が所狭しとひしめく現場は圧巻でした。融点が低い脂身は触ると人肌で溶けるそうですが、手で触れたり、断面を見たりしながら脂のつき方や赤身の状態をつぶさに観察し、素早く選んでいくさまは、まさにプロフェッショナルの目利きそのもの。その迫力に圧倒されるばかりでした。

競りで落とした牛肉を0〜2℃の冷凍庫に移して保管し、捌く工程まで見学させていただきましたが、想像以上に体力を使う一大仕事であり、またひとつひとつの作業が「人の手」によって着実に進められていく様子がよくわかりました。あらためて、日山の皆様に感謝を申し上げるとともに、こうして生まれた商品をいっそう大事に、お客様へと届けていきたいという思いが湧きました。

「至福のハヤシライス」ができるまで、さまざまな産みの苦しみはありましたが、私達の新しい挑戦を皆様に好意的に受け取っていただけたことが何よりありがたいと感じております。皆様からの応援を励みに、これからも努力を続けて参ります。

■株式会社「日山」代表取締役社長 村上宗郎さまよりひとこと

私ども日山は、食べて美味しい牛肉をお届けすることに日々努めております。福田家さんのハヤシライスでは、黒毛和牛特有の赤身の味わいやサシの旨味がデミグラスソースと相まって一層美味しく召し上がっていただくことができます。日山が選び抜いた牛肉が活きるハヤシライスをぜひお楽しみください。

■株式会社「日山畜産」代表取締役社長 村上聖さまよりひとこと

私ども日山畜産は、日山グループの牛肉仕入れ部門として毎日東京食肉市場で和牛のセリ仕入れをしております。
和牛は一頭一頭に個性があり、産地やブランド、格付けだけでは本当に美味しい和牛を判断することはできません。ですから私たちは毎日セリ場に立ち一頭一頭枝肉を見極めながらセリ落としていきます。
私たちが、枝肉を見極める際に一番重要視するのは脂質です。融点が低く豊かな甘味を感じられる脂質の枝肉を選んでいます。こういった脂質の牛肉は、くどさを感じることなく美味しく召し上がっていただけます。
この度、福田家さんとのご縁をいただき大変ありがたく思っております。また、私たちの牛肉を評価していただき『至福のハヤシライス』に使用していただけること、大変うれしく思います。お客様に『至福のハヤシライス』を是非召し上がっていただき、牛肉の旨味や脂の甘さを感じていただけたら幸いです。
これからも、「明日も食べたい」と思っていただけるような牛肉をお客様に届けたいと思っております。

写真右:日山畜産 代表取締役社長 村上聖様
写真左:紀尾井町 福田家 福田貴之

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